徹底解説!掃除機の選び方とおすすめ機種!こうやって選ぶ!

「掃除機を買いたいけどどうやって選んでいいのか分からない!」
「サイクロンと紙パックどっちがいいの?」
そんな人のために掃除機の選び方やおすすめ機種をご紹介します。
紙パックとサイクロンのメリットデメリット
まずはそれぞれのメリット・デメリットをまとめてどちらが自分に合っているか決めていきましょう。
※2018年に執筆した内容ですので紹介している機種はやや古くなっています。ご注意ください。
紙パック式のメリット

紙パックを捨てるだけで簡単にゴミ捨てができる
フィルターのお手入れの手間が少ない
紙パック式はやはりこれがメリット。手間が少なくなっています。
紙パック式のデメリット
紙パックの分ランニングコストがかかる
紙パックをストックしておかないといけないのと購入の手間・費用がネックとなります。
サイクロン式のメリット

紙パックのコストが掛からない
状況に応じて毎回ゴミを捨てられる
紙パックが無いのでランニングコストが抑えられます。ニオイのある物などを吸い込んだ場合はその都度捨てることができます。
サイクロン式のデメリット
集じん容量が少ない
お手入れが面倒
サイクロン式はゴミがダストボックスに直接入っていますからゴミ捨ての時にホコリが舞ってしまいます。外で捨てたり、ゴミ袋の中で取り出したり工夫している人もいるようです。
集じん容量も紙パックと比べて少ないですが、こまめに捨てる几帳面な人はたいして問題無いかもしれませんね。
フィルターやダストボックスについたゴミを清掃する必要があるので紙パック式よりも手間がかかります。
吸引力の違いはあるの?

吸引力に関してはサイクロンだから強いとかいうことはありません。機種によって違ってきます。ただ、それぞれに特徴がありますので把握しておくと良いかもしれません。
紙パックは経験のある方も多いかもしれませんがゴミが溜まってくると吸引力が落ちていきます。
サイクロン式は紙パックの目詰まりはありませんがフィルターが詰まることで吸引力が落ちます。
紙パック式は紙パックがいっぱいになるまで紙パックの交換はしませんが、サイクロン式はこまめにゴミを捨てて吸引力を回復させることができます。
こまめにゴミ捨てができるならサイクロン、そうで無いなら紙パックを選ぶことをおすすめします。
吸い込む力を表す数値として吸込仕事率というものがあります。ヘッドを外した状態の吸い込む強さをWで表したものですが、紙パック式だと500~600Wのものがあるのに対してサイクロン式だと160~200Wとなっています。
ですが、実際のところサイクロン式でも十分な吸引力を発揮するものが多数あります。
紙パック式は紙パックがゴミで目詰まりしたときの状態を考慮してパワーが強めになっているのです。これに対してサイクロン式はこまめにゴミを捨てていてフィルターがきれいなら吸い込み仕事率が低くても十分です(サイクロンの渦を起こすのにパワーを使っているという話もありますが)。
ですからサイクロンのほうが低いからといってあまり気にすることはありません。ダイソンの掃除機も160W~ぐらいですが吸引力の評判は高いです。
紙パック式は目詰まりを考慮して吸込仕事率が高め
サイクロンはゴミを遠心力で分離し目詰まりしにくいので吸込仕事率が低くても大丈夫
といったことになります。
まとめると・・・
紙パック式・・・ランニングコストがかかるけどお手入れの手間が少ない。時間が無い人やお手入れがめんどくさい人向け
サイクロン式・・・ランニングコストがかからない代わりにお手入れの手間。几帳面な人向け
サイクロン式にはフィルターレスとそうで無いものがある
ひとくちにサイクロン式といってもフィルターレスサイクロンと呼ばれるものとそうでないものがあります。
近年では高級機はどんどんフィルターレスサイクロンになってきてお手入れの手間が減っていますが何が違うのかというと
フィルターレスサイクロン・・・サイクロンの力メインでゴミを分離するサイクロン部がフィルターレス
サイクロンとフィルター・・・サイクロンで分離し、分離し切れなったものをフィルターでキャッチ
なんちゃってサイクロン・・・ゴミがくるくる回るだけでゴミ自体はフィルターでゴミをキャッチ
といった感じです。

フィルターのあるサイクロンの場合こうしたプリーツ状のフィルターがあってここが目詰まりすると吸引力が落ちてしまいますのでこまめに手入れをしなくてはなりません。

こちらは東芝のVC-3000。プリーツフィルターの掃除をする必要があります。

フィルターレスだとプリーツフィルターが無いのでお手入れの手間が少なくて済みます。
価格が高くなってしまいますがフィルターレスサイクロンのほうがお手入れが楽になります。
国内メーカーのものだとサイクロン部が水洗い可能なモデルもあるので掃除機の内部の細かいところまでキレイにしたい人はチェックしてみると良いと思います。
東芝のトルネオVなどはサイクロン部の水洗いが可能です。
コード有りかコードレスか
皆さんよくご存知のことと思いますが掃除機のタイプとして有線とコードレスがあります。メリットとデメリットですが・・・
コード有りのメリット
バッテリーの心配をしなくても良い・充電の待ち時間が無い
パワーがある(傾向として)
持ち運びやすさ手軽さではコードレスに負ける
コードレスのメリット
圧倒的な持ち運びのしやすさ
バッテリーの分しか使えない
こんな感じでしょう。
コードレスの機動力はかなりの魅力です。パワーは有線のものにくらべてやや劣る傾向にありますが、中にはパワー十分のものもありますし、高級な機種なら差は少なくなってきているように思います。
コードレスはバッテリーをチェック

コードレス掃除機で一応チェックしておきたいのがバッテリーの種類です。
コードレスにはリチウムイオン、ニカド、ニッケルといった種類があるのですが近年では数千円の安物以外は継ぎ足し充電のできるリチウムイオンバッテリーが採用されています。
リチウムイオンバッテリー
ノートパソコンなどにも使われているバッテリーです。
ニカドやニッケルよりも大容量
他と比べて自己放電が少ない
メモリー効果が無視できるレベルで継ぎ足し充電が可能
例えば満タンを100としたとき30になると電圧の低下が起こる。
保存時は充電して保管する。高温に弱いといった点が注意するところです。
ニカド
継ぎ足し充電をするとメモリー効果があるので完全に使い切ってから充電する必要がある。
自己放電が大きい
ニッケル
ニカドよりも大容量
ニカドよりも自然放電が少ない
ニカドよりもメモリー効果が少ない
バッテリーが交換できるかどうかをチェック
コードレス掃除機は充電している間使えないという弱点がありますが、バッテリーが交換可能なものならバッテリーを複数用意するなどして弱点を補うことができます。また、バッテリーの寿命が来たときに自分で交換ができるので、長く使いたいならチェックしておきたい点です。
便利なものだと掃除機本体とは別に充電器が付いていて、バッテリーを2つ使えば掃除機を使っている時でも片方のバッテリーを充電することができます。
マキタの掃除機はバッテリーが取り外し可能、他のマキタの製品に流用が可能(対象機種は要確認)、本体ではなく専用の充電器があるなどバッテリーの使い勝手はかなり良いです。
シャープのラクティブエアもバッテリーを取り外し充電器で充電ができます。プレミアムモデル限定ですがバッテリーが2個付いているので片方を使いながらもう片方を充電するといった使い方ができます。
掃除機の形状はどれがいい?
よく見かける昔からのキャニスター型、コンパクトで縦に長いスティック型、ハンディ型などがありますが、最近ではコードレスタイプのほうが優勢でしょうか。
キャニスター型・・・有線式で吸引力があるものが多いので価格を抑えつつ吸引力も欲しいという人はやはりキャニスター型が有力だと思います。
スティック型・・・コードレスタイプが人気です。使うのは20分以内という家ではメインとして使ったり、広いうちではメインはキャニスター型、サブにコードレススティック型といった使い方もあります。
ハンディタイプ・・・使いたいときにサッと使えるのが便利です。サブ機としてがおすすめですが、一人暮らしのワンルームや1Kならこれでもなんとかなるかも。すぐに使えるし場所を取らないのでめんどくさがりにおすすめです。広範囲の掃除はちょっと苦手かも。
最近ではキャニスター型のコードレスも
これまではキャニスター型というとコード有りのものばかりでしたが最近ではコードレスタイプのものが登場して話題になっています。
シャープのラクティブエアEC-AS70や
東芝のVC-NXS2などが有名どころでしょうか。
特にVC-NXS2は本体とは別にダストステーションがあるなど、先進的な構造です。
ヘッドのタイプをチェックしよう
ヘッドの種類もチェックしておきたい点です。大きくわけて3つあります。
モーター式ヘッド

モーターの力によってブラシが回転するタイプです。
ブラシでゴミを掻き出しながら掃除ができるのでカーペットなどもしっかり掃除したいという人におすすめです。
自走式とそうで無いものがあり、自走式はモーターの力でスイスイと進みます。
メリット・・・ブラシででしっかりと掻き出せる
デメリット・・・モーターが搭載されているのでやや重い
エアタービン式ヘッド

吸い込む力でブラシが回転するタイプです。
意外と勢いよく回転するものもありますが、モーター式のヘッドよりも回転力は弱いです。
モーターが無いのでヘッド周りがややすっきりとし、軽いのがメリットです。価格も安くなります。フローリングメインの人向けです。
メリット・・・ヘッドがスリムで軽い・価格が安い
デメリット・・・回転力は弱め・しっかりとゴミを掻き出すには不向き
回転ブラシが無いヘッド

回転ブラシが無いタイプのです。
回転しない固定ブラシが付いているものがよくありますね。
ブラシが回転しないのでこれまで紹介した中ではゴミを掻き出す力は一番落ちます。安いのと軽いのがメリットです。
こうした点をふまえてヘッドを選びましょう。
こうした点をふまえておすすめ機種をピックアップ
さていろいろと前置きが長くなってしまいましたがこうした面を踏まえて人気の機種をピックアップしてみたいと思います。
キャニスター型紙パック掃除機のおすすめ
パナソニックの自走式ヘッドを採用したモデルです。先ほど説明したようにイコール吸引力ではありませんが吸込仕事率600Wでハイパワーです。
実際に使ってみましたがかなりのパワーを感じました。これといって特別と思える機能はありませんがブラシがしっかりとゴミを掻き出してくれるのでしっかり掃除したい人向けだと思います。本体質量は2.7kgとまずまず。
足で踏むだけでヘッドとノズルを簡単に分離できる親子ノズルは狭いところを掃除するときに便利です。
製品のレビューもしてみましたのでよろしければご覧ください。
三菱電機のビケイシリーズです。このシリーズは自走式ヘッドからエアタービンヘッドのモデルまで様々なものがありますが、TC-FXH5Jはヘッドがエアタービンブラシなので価格が安くヘッドもなかなか軽いです。
このシリーズは本体が軽いのもウリで本体質量は2.4kgとなっています。
特別な使いやすさはありませんが、価格が安く手軽に買えるのはメリットです。型落ちがあればそちらもおすすめ!
フローリングメインの家ならこれでも十分だと思います。
前モデルですがTC-FXG5Jを使ってみたところ、MC-PK19Gほどの吸引力ではないものの、なかなかのパワーを感じました。大きくは変わっていないはずなので参考になるかと思います。
「もっと軽いのがいい!もっと機能性の高いのがいい!」
という人にはパナソニックのJコンセプトはどうでしょうか。業界最高水準という本体質量2kgの軽量ボディ。
持ち手の部分はロングハンドルや、ホースの出口が低い位置にあるローポジションホースなど使いやすさに配慮した作りになっています。
ハウスダストセンサーも搭載していて微細なゴミも検知。LEDナビライトも搭載しています。
キャニスター型サイクロン掃除機のおすすめ機種
東芝のトルネオヴイVC-MG920が人気です。サイクロン部は「バーティカルトルネードシステムクリア」という技術でゴミを分離。フィルターレスになっているのでお手入れの手間が少なくなっています。12気筒のサイクロンによってゴミと空気を分離してくれます。
そしてサイクロン部まで分解して洗えるのが特徴です。サイクロンの内部まできちんとお手入れしたいという人にとってはありがたい構造です。
ヘッドは「ラクトルパワーヘッド」という自走式のヘッド。吸込み幅が広い・壁際のゴミや粒ゴミも吸込み可能・ブラシは簡単に外して洗えるなど高性能です。
ランプ点灯式のゴミセンサーを搭載しているのでランプを確認しながら掃除ができます。
付属品もなかなかで高いところ用のロングアタッチメント・布団などに使えるパワービーターヘッドが付属します。
本体質量は3.2kg(ホース・延長管・ヘッドを含めると4.6kg)と紙パック式の軽量機種と比べてやや重めです。
国内メーカーのサイクロン掃除機はダイソンとくらべてサイクロンによる分離が劣るという話もありますが、細かい使い勝手という面では国内メーカー品もありだと思います。フローリングからじゅうたんまでしっかりと掃除したい人におすすめです。
フィルターレスで軽量を求めるならパナソニックのダブルメタルプチサイクロンMC-SR560Gでしょうか。本体質量は2.6kg(ホース・延長管・ヘッドあわせて3.9kg)と軽量です。
サイクロンは8気筒による分離でフィルターレス構造になっています。
ダブルメタルという加工が特徴でサイクロン部にメタルコーティングを施し、ゴミが付着する原因の静電気を抑えています。また、一時分離網目の部分にはゴミが絡まりにくいように斜めに穴が開けられています。
気筒の部分まで分解して洗うことはできませんがダストボックスと周辺パーツは水洗いが可能となっています。
ヘッドが親ノズルと子ノズルに分離する構造やハウスダスト発見センサーが搭載されているのは紙パック式の高級機種と変わらない点です。
パナソニックのMC-SR560Gについてはレビュー記事もありますので参考にどうぞ。
付属品として3段伸縮のすき間ノズルやふとん清掃ノズルが付属しますがこのあたりは東芝のほうが品質が良さそうな印象です。
「安くて軽いのが良い!」という人にはロングセラーとなりつつある東芝のVC-C6が候補かと思います。
発売から時間が経っているので値段はこなれていますし、本体質量は2.2kg(ホース・延長管・ヘッドを含むと3.6kg)と軽量です。
安いながらもヘッドは自走式のモーターヘッドで性能はなかなか。
問題点はサイクロン部にプリーツフィルターがある点。本体の軽さを求めた分、サイクロンの分離はフィルターが必要になってしまったのかもしれません。水洗いは可能ですがプリーツフィルターのお手入れは少し面倒ですね。この点が許容できるなら検討してみましょう。
スティックタイプコードレス掃除機のおすすめ
コードレス掃除機は紙パック式のものは少ないのでサイクロン、紙パック式合わせてピックアップします。
やはりここはダイソン。吸引力はトップクラスでしょう。カーペットや布団などを掃除すると白い粉がたくさん取れたという話もみかけます。
V8シリーズになってから稼働時間がパワーアップしており、最長40分(モーターヘッド使用で30分、MAXで7分)の使用が可能。充電時間は約5時間です。
新たに採用されたソフトローラークリーナーヘッドはナイロンフェルトでできており、大き目のゴミも弾くことなく捉えてくれます。また、ブラシで床を傷つけることもありません。
形状からして壁際に弱そうですがダイソンは吸引力があるので、その分でカバーされているようですね。
ただ、カーペットやじゅうたんなど毛足の長いものはゴミを掻き出すことができないので向きません。ダイレクトドライブクリーナーヘッドというナイロンブラシが付いたモデルが良いでしょう(このSV10FF2には付属しません)。
フローリングもじゅうたんもしっかり掃除をしたいという人にはソフトローラークリーナーヘッドとダイレクトドライブクリーナーヘッドが両方付属し、高いところ用のアップトッアダプターなど付属品が豊富なAbsolute SV10ABL2のほうが良いでしょう。
ダイソンのマイナス面を挙げるとすれば、重さがある(本体質量2.61kg)、電源がトリガー式なのでずっと人差し指を引いておかねばならず、指が疲れる、動作音が独特の高音、といった感じです。
パワーやサイクロン部がフィルターレスな点は大きな魅力なのでどちらが優先なのか考えて選んでみましょう。
軽さならシャープのラクティブエア EC-AR2SXに注目です。前のモデルも軽量で話題になりましたが1.5kgという超軽量の本体は魅力です。
ドライカーボンパイプを採用し大幅に軽量化に成功していますので狭いところや高いところを掃除したい人におすすめです。
吸引性能が従来のモデルよりも約30%アップするフルパワーモードを新たに搭載しています。弱モードも搭載されていて、周囲への騒音が気になる際やバッテリーを長持ちさせたいときに使えそうです。
運転時間は強:8分・自動:20分・弱:30分となっています。充電はバッテリーを取り外して充電器で行え、約80分で急速充電が行えるのが魅力です。
ヘッドは自走式のモーターヘッドになっています。
プレミアムパッケージはバッテリーが2個
EC-AR2SXはバッテリーが2個付属していて片方を充電しながらもう片方を使うことができます。「掃除機を使いたいけどバッテリーを充電しなきゃ!」なんてことが無くなりそうです。
またその他の付属品として、ふとん掃除用のパワーヘッド、縦横自由自在に曲がるすき間ノズルが付属します。この2点に魅力を感じるならプレミアムパッケージがおすすめです。
レビュー記事もありますので参考にしてくださいEC-AR2SXのレビュー記事はこちら
そうでなければ価格を抑えたEC-AR2Sが良いでしょう。はたきノズル・スグトルブラシ・すき間ノズルといった付属品はプレミアムモデルと共通してありますし、バッテリーは1個ですが、専用の充電器も付属します。
マキタのコードレスクリーナーはCL107FDSHWは紙パック式であることや安いこと、本体の質量が1.1kgと軽量であることがポイントです。
バッテリーについて解説した際にも取り上げましたが専用の充電器があり、急速充電可能なバッテリーはなんと充電時間22分!
稼働時間はパワフル:10分・強:12分・標準:25分となっています。別売りの大容量バッテリーを買えば最大67分の稼動も可能です。
問題点はヘッドに回転ブラシを搭載していないことと吸引力がそれほどでも無いという点です。
じゅうたんでは苦戦するかもしれません。フローリングメインで使う人向けです。
当サイトにレビューがありますのでこちらも参考にしていただければと思います。
自分の用途と掃除機の機能を見極めることが大切
というわけで掃除機の選び方とおすすめの機種について取り上げてみました。
同じ掃除機でも機種によってコンセプトは様々で使う人によって評価の分かれる部分があります。これから掃除機を使う環境を考えて
「吸引力が一番なのか」
「取り回しの楽さが一番なのか」
「価格を重視するのか」
「価格と使いやすさのバランスなのか」
よく考えて掃除機を選んでいきたいですね。